31.7.21

生きた時間

 

気持ち良く晴れた夏の日
遠出のサイクリング。
確かこの辺に
素敵な散策コースがあったはず・・・
ここだ!と言う私の記憶を疑う夫。
記憶に関しては夫にはとてもかなわない。
その夫が覚えていないところを
私が覚えている可能性は
限りなく低い。

自転車を降りて
森に入っていくと
小川のせせらぎが聞こえてきた。
やっぱりここ。
落葉樹と針葉樹が交互に現れ
清らかな水が流れる音と
小鳥のさえずり。

夫は ほーほー、ここか、と
夢中になってシャッターを切っている。
わたしは、ただただぼーっと眺め
五感を研ぎ澄ます。

しゃがんでいた私のところに
少し先から犬がやってきた。
私の懐に入ってきて
いかにも撫でてくださいな、と言っている。
よしよし撫でてやろうじゃないかと
じゃれていると
飼い主さんが後から歩いてきた。
森の中なのに
きちんとした身なりのおじいちゃま。
ひとことふたこと
言葉を交わした。
月並みなあいさつ程度の会話だったけれど
心地の良い空気が漂った。

「光をみるためには目があり、
音を聞くためには耳があるのと同じに、
人間には時間を感じとるために
心というものがある。
そして、
もしその心が
時間を感じとらないようなときには、
その時間はないも同じだ。」
ミヒャエル・エンデ「モモ」より


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